行雲流水~きららのブログ

好きな本のことを中心に、日々の想いを書いてみる

妄想は妄想のままで

「夢は強く願うと、実現する」と聞いた気がする。若者は夢を持たないとだめだ、と言ったりもする。

夢と言ってもいろいろあるけれど、ある意味で私は夢見がちな少女だった、そして大人になってもまだ。いつも何かを夢見て・・・というか、妄想の世界に生きている。何か考えていないことのほうが少ない。

空想にふけっているというほうが正しいかもしれない。そんなときはハタから見るとぼんやりしているように見えるらしい。本を読んだあとなど特に、物語の世界に浸って空想に溺れていると、母に「眠いの?」と聞かれ、けっ、こんな女には私の空想の世界などわかりゃしないんだろうなといつも腹立たしく思ったものである。私は幼いころから想像力の少ない人を軽蔑している。

「バカと無知~人間、この不都合な生きもの」(橘玲著/新潮選書)を読むと、夢はあまり強く願っていると脳が満足してしまい実際に実現する努力をしなくなってしまう、ということが書いてあった。なるほど、それは哀しい話でもあるけれど、物事は反対から見てみよう、夢みるだけで満足できるなら本人はそれで幸せではないか。

昼間から空想や妄想に浸っている人は、一般人から見ると昼行灯(ひるあんどん)というかボンヤリした人間にしか見えないと思うけれど、実は本人はとても幸せな世界に生きているのではないか。そんな気がしてきた・・・というところが実に幸せな奴ですよ、私って。