行雲流水~きららのブログ

好きな本のことを中心に、日々の想いを書いてみる

縄文時代は笑われる

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 同年代(50代から60代)と話しているとたまに「日本の歴史の教科書ってよくないよね」という話になる。「だって私ら近代史を少ししか教わらなかった。もっと日清・日露・太平洋戦争のことを教えてほしかったよね」確かにそうだよねと、その部分は私も全面賛成である。

 そして続けて

「だいたいさぁ~縄文 時代とか日本 書紀とか、あんなもん必要ないよ(笑) そもそも縄文 時代なんてしょっちゅう見解が変わるらしいね(笑」

 というオチがつく。でもそこで私はムッとする。

 縄文 時代は大切な日本のルーツです。日本 書紀は大切な日本のルーツを記した本ですよ。知ってて言ってるの? 考古学は発掘結果で全く違う知見が生まれてくる。そこが面白いの!! 物理の法則みたいに一度発見されたらそれが絶対ということはなく、常に更新されていく・・・そして考古学だけじゃなくて歴史 学や人類学、その他の学問と繋がっていくから面白いの!! 日本人がどこから来たのかいまだにわかってないらしいけど、それってすごい謎やん!! ドキドキするやん!! 正直、毎日の生活に役立つことなんかないけど、でもどっかで私らが縄文時代と繋がってると思うとなんかわくわくするやん!!

 ともかく、近代史を知らないというか、戦史を教えてないから時代の流れがつかめず(私もそうだった)、戦争はすべて悪で何も知りたくないという思考停止だったり、元寇で勇敢に戦った九州の武士を称える人は今はなく、縄文 時代は笑われる。

 

(「日本人の起源」中橋孝博著/講談社学術文庫)