行雲流水~きららのブログ

好きな本のことを中心に、日々の想いを書いてみる

不快な笑い(いじめ?)

 ブログやS N Sなどで、自分のパートナーや息子などの言動を面白おかしく書いている人の文章を読んで、ちっとも面白くないというか、むしろ嫌悪感を感じることがある。もう私はいまどきの人のジョークには笑えない古い人間になったのだろうかと一瞬不安になっていたが、それは違うと思う。

 その面白おかしく書いている内容は、パートナーや息子(娘)の失敗談なのである。言い間違いをしたとか、勘違いして変な行動をしたとか。

 そもそも他人に笑ってもらおうという文章を書くときは、自分の失敗談を書くべきではないだろうか。自分のアホな言動を。

 しかし、夫や娘の馬鹿な言動が書かれていても私にはちっとも面白くない。ネットで自分の身近な人の失敗を晒して面白がるというのは、何か痛々しい。

 昔、内田春菊さんが「幼い頃、母がよそのおばさんに私の失敗を面白おかしく話しているのを聞くとすごく嫌な気分だった」と書いていて「そうだそうだ、わかるわかるー」と共感し、自分は息子の子育てにおいてなるべくそういうことをしないように心がけた(少なくとも本人の前では言わない)。

 家族の失敗を他人に話して面白がる文化が日本にあるとしたら、嫌な文化だと思う。

 ジョークというのは自分を笑いのめすか、せいぜい政治家や有名人など公の立場にある人を笑いのめすのがルールだと思う。なぜかというと、家族とはいえ一人の個人であり尊重されねばならないものだからだ。家族を嘲笑するということの裏にあるのは、家族を自分のモノだと考えたり自分より下だと思う思いあがった考え方である。