行雲流水~きららのブログ

好きな本のことを中心に、日々の想いを書いてみる

税務署の仕事

 先日、確定申告のため税務署に行ってきた。つくづく思うけど、税務署の仕事っていったいどういうところが面白いのだろう。もしかすると外からはうかがい知れぬ喜びがあるのかもしれないが、私には全くわからない。

 数年前、「きょうの仕事は楽しみですか」とかいう広告コピーが炎上したと聞いた。なんでそんなのが怒りの対象になるのかわからなかった。「あなたの仕事ってバカバカしいですね」というコピーなら腹が立つのもわかるが。

 そもそも仕事なんか楽しいわけがない、生きていくために必要だから仕方なく働いているんだから、楽しいわけないだろ?という人がけっこうな割合でいるのだろう。

 本当はやりたくないことをやってるというわけだ。これは不幸である。ローマの奴隷と同じである。奴隷と違うのは逃げても殺されはしないだけで、自殺する自由があるということだ。それで日本では自殺する人が多いのか。やりたくもない仕事をやらざるを得ない毎日だということは、生きたくもない人生を生きてるってことになるから。

 税務署の人たちはやりたくもない仕事をやってるわけではないと思う。ただ私にはわからないというだけなのだろう。面倒くさい書類を見ると喜びを感じ、脱税を暴くと心が震えたりもするんだろう。

 考えてみれば私のように大して仕事もせず昼間っから模型部屋に転がって空を見ながらくだらないことばかり考えたり、プラスチックをわざわざバラバラに分割したパーツを苦労して組み合わせて色を塗ってもそれは何かの役にも立たずお金にもならない、単なる時間と労力の無駄であるにもかかわらず嬉々としてその作業に打ち込んでいる、というのも他人から見ると全く意味がわからないことであろう。

 でもそこに仕事の謎の答えがあるような気がする。自分が面白いと思うこと。それがあればどんなにつまらなさそうな仕事でも面白い仕事だと言えるんしゃないか。