行雲流水~きららのブログ

好きな本のことを中心に、日々の想いを書いてみる

忘れ去られていく日本の文化よ(「江戸絵画八つの謎」)

 人はなぜ特定の相手を好きになるのかというのは、脳科学の世界でもまだ完全にはわからない不思議らしいが、友人関係だって「なぜか気が合う人」とはどういうことなのか、突き詰めて考えてもわからない。最初はそんなに意気投合しているとは思わなくても長い時間をかけて「すり合わせて」いる気もする。

 本を読んでいるときも、最初から「これは面白い!!」と引き込まれるときもあるけど、「なんかちょっと読みにくいな」と思いながら読んでるうちにだんだん引き込まれ、最終的に面白いなというところに到達する本もある。

 

 「江戸絵画八つの謎」(狩野博幸/ちくま文庫)もそう。私には読みにくい文章に思えた。もちろん私の江戸絵画に関する知識がほぼ皆無だということもあると思う。それが第5章あたりからわずかにスムーズに読めるかなという気がしてきて、第7章の葛飾北斎では読書の喜び爆発。へええ、そうだったんだ。知らなかった日本の歴史。

 そして狩野先生の怒り爆発もある。こんなに怒っていいの? 誰かのことを暗に書いてるよ。これはちょっと嫌悪と紙一重の書き方だけど、最近の私は、怒りたいときは怒ればよい、という気分になってきている。変に我慢することはない、「これはイカン」と思えばちゃんと理由を書いて説明すればよいのだ。

 それにしても、人間とはなんと嫉妬深いものよ。ネット炎上・誹謗中傷も何のその、昔の人もエグい。人間の脳味噌、何とかならんものか。

 プロフィール見ると狩野先生は九州人だった。ああーやっぱそうか、ふふふ(もちろん私も九州人であるのは言うまでもない)