行雲流水~きららのブログ

好きな本のことを中心に、日々の想いを書いてみる

怒鳴るよりジョークだ

少し前にネット上で話題になった「ポテトサラダ事件」というのを覚えているだろうか。

ある女性がスーパーの総菜売り場でポテトサラダを買おうとして手にすると、そばにいたオッサンから「ポテトサラダくらい自分で作れ」と怒鳴られたという話。まあネット上の作り話かもしれないが。

意味がわからないという人もいるかもしれないので解説すると、オッサンからしたら「女性は家で料理をするのは当たり前、ポテトサラダなんか庶民的な料理だから自分で作れ」ということなのだ。

この様子を見ていた人がツイッターだか何かに投稿した話だったと思う。彼女は「ひどい!!」とは思たけど何も言えず自分もポテトサラダを目の前で買ってやって溜飲を下げたという話だった。

こういうとき、話だけ聞くと「そんなオッサンに何か言ってやりゃいいのに」とか思う。でもそれは話を聞いた人が言えることであって、その場にいたら何も言えないのが日本人じゃないだろうか。

できれはジョークにひっかけて、そのオッサンにバシっと一言言い返せたらどんなに気持ちいいだろう。そして周りの人もパチパチパチと拍手くらいしてもいい。

話すことのほとんどない現代の店での買い物。味気ないのも確かだ。そのオッサンも「え、あなたポテサラ自分で作るんですか?」とか聞いてほしかったのかもしれない。自慢のポテサラがあるのかもしれない。あるいは「俺の女房のポテサラ旨かったんだよな・・・でも三年前に死んじまったんだよ」とかいう話になって、オイオイ泣き出すかもしれない。そういう寂しくて哀しい人間の一言かもしれない。

そこで誰かが「でもさ、ここのスーパーのポテサラけっこう美味しいじゃん」「ほんとほんと」「おじさんも元気だしてよ」「あたし今日は疲れてるから買ってくけど来週は作るわ」みたいな展開に・・・・ならないか。なったらいいな。そんな日本にしたいな。私らみたいな中高年は、怒鳴らずに若い人と話をしようじゃないですか。この場合は「こんなポテサラ買わんで俺の作ったポテサラ食ってみろ」だと面白かった。

この話をしたら「そんなオッサンどうでもいいじゃないですか、そんなキモイ年寄りの言うことなんか気にするだけ時間の無駄」とかいう人もいた。どうでもいい・・・それもまた日本人の言いそうなことだ。